臨書 ~ 高貞碑(若夫秉心塞…)

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日本書道学会4月号の半紙臨書課題の高貞碑です。
高貞碑は現在、山東省文物考古研究所に保管されており、
張猛龍碑と並び、北魏の楷書の傑作として名高い碑です。

正方形に納まる字形の整斉美が特徴で、重心が低く安定感があります。
点画は力強いですが、所々に行書のような気脈の一貫性も見られます。

横画の起筆は鋭い三角形ですが、収筆は強く押さえず
尻切れトンボのようになっています。
唐時代の楷書の起筆・送筆・収筆がはっきり存在する
「トン・スー・トン」の三折法ではなく、
「トン」と入って「スー」と抜くような二折法を基盤として
書かれています。
このため、龍門造像記のように方勢が強調されず、
穏やかさも感じられます。

今回、3年前に現代臨書展で全臨して以来、久々に臨書しましたが、
常に新しい発見があるため、何回臨書しても楽しい気分になれますよ。


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