代筆役をすることになった経緯

去年の9月の終わり頃に、僕が所属している日本書道学会に、香川照之さんの代筆役を探しているという連絡が来ました。
条件は、30~50代の男性で、撮影スケジュールに合わせられる方、ということでした。
それで、条件に合う方がいれば、内田けんじ監督が書きっぷりを見たいので、紙にシャーペンで何か一筆書いて、ファックスで送ってくれとのこと。
これはオーディションみたいなものなのでしょうね。
僕はすぐに一筆書いて、ファックスで送ったところ、その日の夜に助監督から、是非代筆役をお願いしたいとの電話が来ました。
後で、助監督にお話を聞いたところ、かなりの数の書道教室に問い合わせて、ファックスを送ってもらっても、皆、字のクセが強過ぎてダメだったということでした。
香川さんが演じる役のコンドウは几帳面な性格なので、それが表れているような字を探していたそうですが、僕の送ったファックスを見て、スタッフ一同「これだ!」と思ったそうです。
僕の字もクセがありますが、正式な代筆依頼の連絡を頂いたということは、監督が僕の字を気に入ってくださったということなので、とても光栄に思いました。