前回と同様、半紙に顔真卿の自書告身帖を節臨しました。
顔真卿の若年の頃の作品は、代表的な唐時代の楷書のように、
非常に整った書きっぷりでしたが、
晩年になるにつれて結構(形)がデフォルメされていき、
顔法なる独特の書法を生み出しました。
この自書告身帖も晩年の作で、躍動感あふれ、
スケールの大きさが顕著に表れていますが、
見る人によって好みがかなり分かれそうです。
個人的には、この点は画家のピカソにも共通していると思います。
ピカソも若年の頃はデッサンを忠実に行い、
晩年にゲルニカなどの独特の雰囲気の作品を残しました。
顔真卿も書のデッサンである臨書をコツコツと行って、
後に自分の書風なる顔法を完成させたわけですから、
いかに普段の臨書に取り組む姿勢が大切かがわかりますね。