古代の甲骨文字と、比較的歴史の浅いハングルとの
コラボレーションの作品で、 銀色の豆色紙に書きました。
まず、定規の縁に墨を軽くつけ、印を押すような感じで、
直線的にハングル文字の「빛」(光)をバックに配置します。
次にその上から重ねるように、淡墨で甲骨文字の「光」を書きました。
全くにじまない色紙なので、書いた後に「たまり」ができますが、
そのまま自然乾燥させると、独特の風合いが生まれます。
蔵元先生や先輩方のご指導を受けたことにより、
今まで闇の中で一人、もがき苦しんでいたところに、
一筋の光明が差しましたが、その光は閃光のように力強い…。
そのような思いを作品に託し、マットも漆黒にして
「光と闇」を 表現したつもりです。
タイトルは最初、
「暗中模索の果てに見えた光」にしようかと思いましたが、
周りから少しくどい、と言われたので、
「暗中模索の果てに…」となりました。
全く書道知識もなく、ハングルも読めない知人が、
会場でこの作品を見て、 「これ、光って書いてるよね?」と
言ってくれた時には、 驚いた半面、嬉しくもなりました。
醜美舎展でも全国展でも評判が良かったですし、
自分自身、とても気に入っている作品です。
これからも「コンセプト」と「情」を大切にしながら、
作品制作に励んでいきたいと思います。