今回も礼器碑の一節を半紙に臨書しました。
この礼器碑は長年風雨に晒された結果の「風化」により、
独特の味わいを醸し出しています。
古典を臨書する際は、その古典の第一印象を自分なりにオノマトペで
表し、再現できるように取り組んでいます。
例えば九成宮は「キリッ」、晩年の顔真卿は「ボテッ」、
そして、この礼器碑は風化による乾いた線のイメージから
「ピキパキ」とでも表現しましょうか…。
全く人為的に不可能な風化の現象を、臨書する際に、
渇筆や線のうねりなどで、わざとらしくならないように
自然に表現することは、果たしてどうなのか…。
自分自身の臨書に対する永遠のテーマだと言えそうです。