日本書道学会1月号半紙臨書課題の張遷碑の一節です。
張遷碑は曹全碑とは違い、がっちりとした重厚な印象で、
短いながらも深みのある波磔、 ややアンバランスでありながらも、
絶妙なバランスを保っている字形など、
学習すべき要素が詰まっている古典です。
曹全碑は隷書の基本的な技法がぎっしり詰まってるので、
曹全碑からは規範的な筆使いを学びます。
一方、この張遷碑は拓本から風化の美、情感を読み取り、
それを線質に表すように書かないと臨書する意味がないと思います。
その情感を表すためには「遅筆」、ゆったりとした運筆で、
粘りのある線質を出すように心がけなければなりません。
書譜で出てくる「平正」「険絶」「平正」の中で、
この張遷碑は当然「険絶」に該当する古典でしょう。
いかに「険絶」の学習が大切かを実感しながら
臨書している今日この頃です。
2016年も残りわずかとなりました。
皆さん、良いお年をお迎え下さい。