日本書道学会6月号かな条幅の課題です。
梅ほすや 庭に(二)したたる しその汁
かな研修会で毎回、口酸っぱく言われることですが、
一行目は下に行くほど字間は詰め、字は小さめに書くのが定石です。
一つの字の中に疎密を大胆につけることも大事です。
「梅」などは、字の中の余白を広めにとる「疎」と、
墨量の多い太めの線で「密」をつけることで、メリハリが出ます。
また、字一つ一つが楷書的で落ち着いてしまうと、
行の流れは出ないので、結体(字形)の重心、均衡も
よく考えなければなりません。
例えば「庭」は楷書的に書くと、結体は正三角形にきれいに
収まるようになり、安定感は出ますが、
「かな」としては流れが止まってしまいます。
そこで「庭」の重心をずらして、不等辺三角形に収まるように
形取ると、流れとリズム感が出て、作品も変わってきます。
特に、細い線は筆に加える力を弱めなければならないので、
太い線に比べて難しいですね。
力を弱めると言っても、弱々しくなり過ぎて、
貧弱な線になっても駄目ですので、日々練習あるのみです…。
あと、自分の書いた作品が良いか悪いかは、
なかなかわからないものですが、それを見極めるには、
作品の大小にかかわらず、遠くに貼って眺めることです。
3~5メートルくらい離れたところに2、3日貼っておくと、
自分でもちゃんとわかってきますよ。