かな条幅 ~ 藤原忠平(ふじわらのただひら)

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日本書道学会の11月号のかな条幅の課題です。

小倉山 峰のもみぢ葉(三地者)心あらば(八)
今ひとたびの(多非農)行幸(みゆき)またなむ(那牟)

今回の課題はかな研修会で、散々厳しい指導を受けました…。
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指導していただく先生に、いつも言われることですが、ポイントは
・一字一字にとらわれ過ぎると、全体的な流れが欠けるので、
何字かのまとまりをブロックとしてとらえ、筆意の一貫性を出すこと。
・上部の字間をゆったりと、下部をやや詰め気味にすること。
・起筆で筆をしっかり突くこと。
・運筆方向が変わる時は必ず筆を立てること。

最大の難関は2行目の「今ひと多非農」の渇筆部分で、
この見せ場が上手くできれば、作品の6~7割は完成したと言っても
過言ではありません。

一画書いて、次の画に筆を運ぶ時に、筆が開いたまま、
筆が寝ている状態だと、筆がもたつき、線に切れがなくなって、
綺麗な渇筆になりません。

ですので、渇筆部分はできるだけ筆を立てて、ゆっくりと
運筆しますが、特に渇筆部分の最後の「農」は墨がほとんど
なくなった状態なので、筆の表裏全面を使い、絞り出すように
筆を動かすのは難しいですね。

線質、文字の大小疎密、字間の取り方、行の流れや響きあい、
抑揚と奥行き、全体のバランス…など、
色々な要素を考えなければなりませんが、一度に全部 解決するのは
至難の業なので、一歩一歩段階的にポイントを絞りながら、
書き込んでいきたいと思ってます。


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