かなり前に韓国ソウルの仁寺洞(インサドン)で買ったもので、
前半までは練習していた形跡がありますが、
後半は白紙できれいです・・・。
数年前の展覧会で、楷書で千字文を出品する前に、
少し練習しましたが・・・。
千字文は韓国語で「チョンジャムン」といい、
中国南朝時代の梁の周興嗣が、宇宙の森羅万象、全てのことを、
異なる千の文字で表したものです。
特に韓国では、朝鮮時代初期の韓石峰(ハンソクボン)の
「石峰千字文」が、 後世の国語学研究などに多大な影響を与えました。
韓石峰は王羲之や顔真卿の筆法を学び、
書体においては楷・行・草・隷が優れていて、
韓国的書芸の基本的筆法を確立しました。
その昔、明かりを消した暗い部屋で、
韓石峰の母親は少年だった韓石峰に字を書かせ、
自分は餅を切った有名な逸話があります。
明かりを消したため、韓石峰が書いた字はめちゃくちゃでしたが、
母親が切った餅はきれいに切りそろえられていたそうです。
当時、ある程度自分の書く字に自信を持ち始めていた石峰少年は、
自分の未熟さに気づき、家を飛び出して、
懸命に字の練習に励んだそうです。
暗闇の中で餅をきれいに切りそろえて、
自分が何を言わんとしているかを石峰少年に悟らせた母親は、
やはり只者ではないと思います。
韓石峰にあやかり、自分の雅号が石峰・・・ですが、
当然のことながら、韓石峰の足元にも及びません・・・。
今度、暗闇の中で練習・・・
まずは手元を見ずに書く練習もしてみたいです!