8月8日~18日に六本木の国立新美術館で開催された第56回現代書作家協会展です。
今年は特別展がなかった分、全体の展示がすっきりとした印象で、去年より出品数が増えたにもかかわらず見やすくなりました。
今年も社中から数多くの方が入賞することができました。
入賞された皆様、本当におめでとうございました。
4年ぶりに懇親会も開催され、親睦を深めることもできました。
今回は褚遂良の「孟法師碑」で出品しました。
この孟法師碑は懐が広く、どっしりした安定感があり、所々隷意を含んだ箇所、後の雁塔聖教序に繋がる筆法も見られます。
作品制作では紙や墨を色々変え、何枚も書き直し、結局久々に黒の墨を磨って金紙に書き、ようやくまとまりました。
褚遂良の楷書では雁塔聖教序が最高峰でしょうが、この孟法師碑をしっかり学ぶことにより、様々な楷書の書き分けができる手助けになることでしょう。
質問を受けたので、自分の普段の楷書の書き分け練習法の一つをご紹介します。
まず、活字で書かれた千字文のプリントを準備します。
一字一字書く前にサイコロを振り、1が出たら九成宮風、2が出たら多宝塔碑風、3が出たら雁塔聖教序風…というように、千字文を倣書していきます。
サイコロの目の古典は日によって変えますし、楷書の書き分けには非常に有効だと思いますので、一度チャレンジしてみて下さい。
皆さん、来年に向けて、また頑張りましょう。