5月2日~7日まで千葉県立美術館で開催された
東華書院展を鑑賞してきました。
去年から鑑賞させていただいてますが、
天井が高くて広々とした会場は、 やはり解放感があり、
静粛な雰囲気を一層際立たせています。
去年9月にフランス・トゥールーズ・ロートレック美術館で展示された
作品や、 第49回現代臨書展で優秀な賞を受賞された作品、
幼児から高齢者の方の作品など、 実に様々な作品が展示されていて、
十分楽しませていただきました。
色々な書展を見て思うことは、
「良い作品」と「上手い作品」は決して同じではないということです。
テクニック的に上手く書けている作品は、
その時は「ああ、上手いな」とは思いますが、
どうも印象が薄く、後々記憶に残らないことが多いです。
上手い下手を抜きにして、良い作品は見た瞬間、
何か伝わってくるもの、 熱いものを感じて、作品と対話ができます。
やはり作者が作品に込めた「情感」が、
見る人にもストレートに伝わってくるのが、
良い作品ではないでしょうか。
勿論、テクニックに磨きをかけることは大切で、
それが表現力につながることは確かです。
ですが、小手先の器用さ、職人的な巧みさで完璧に書かれた作品より、
多少粗削りで、決して「上手い」とは言えなくても、
むしろ技術的に巧みさが見えず、
壊れたところのあるような作品の方が、純粋に心を打ってきます。
そんな作品を書きたいと常々思っていますが…、なかなか…。