全国展に出品したハングル書芸作品です。
コンセプトは「虹」で、虹といえば普通、雨上がりに現れる
綺麗な虹が頭に浮かびますが、 ただ単純に、そのような
綺麗な虹は表現したくありませんでした。
人間一人一人からはオーラ、内面から湧き出るエネルギーが
出ていると言います。
色々な説がありますが、そのオーラの色を大きく分けると、
虹色の七色だそうです。
色ごとに様々な意味があるようですが、
この厳しい現代社会に生きる人間の 喜怒哀楽から出るオーラ、
感情のエネルギーを、自分なりに表現してみたかったです。
英語の「RAINBOW」と韓国語の「무지개(ムジゲ:虹)」の
スペルを バラバラに分解して組み合わせ、
英語とハングルの調和を試みました。
制作は最初に半切3分の1の画仙紙にアクリル絵の具で色をつけ、
それから白抜き剤の「わんぱう」で文字を書き、
裏から墨を刷毛塗りしました。
表装を厚さ3センチのパネルに仕立てたことで、
より一層、絵画的なアプローチができたと思います。
ひっくり返して逆さまに見ても良いし、寝そべって見ても良いし、
真正面から見なくても楽しめるのも、
芸術の醍醐味じゃないでしょうか。
ピカソは基本は大切にしながらも、今のスタイルに閉じこもらず、
それを破壊して、 ためらわずに大胆に、意外性のある創作活動を
追求していきました。
自分は当然、ピカソの足元にも及びませんが、書道という枠に
こだわらず、 自分なりに芸術を追求していきたいと思います。
その際、「遊び心」と「品」を忘れないように…。