高野切第一種は墨継ぎや強弱、疎密や筆圧の変化などを
緩急自在に織り交ぜて、 情緒あふれる展開を見せています。
一方、この高野切第三種の字形は第一種に近いですが、
線に際立った変化はなく、 どこまでもスムーズな書きっぷりで、
明解な感じを受けます。
墨継ぎに工夫を凝らした箇所はあまり見られませんが、
無駄をそぎ落とした単純さが、初心者の方にも
受け入れられると思います。
いずれにせよ、かなは線の美しさが秘訣となります。
筆を垂直に立てて、様々な表情の線をどのように書いていくかを
常に問いかけていくことが大切になってきます。
「書は線の芸術」ですから、臨書する際も、形だけにとらわれずに
生命力あふれる線を書くことを追求していきたいですね。