今回は半紙に関戸本古今集を節臨しました。
名古屋の素封家である関戸家に伝来した関戸本古今集は、
平安朝時代に藤原行成によって書かれたといわれています。
料紙を数枚重ねて、それを二つ折りしたものを幾つか重ねて糸で綴じた冊子本で、今日では綴葉装、もしくは列帖装と呼んでいます。
この関戸本古今集は字の太細、長短などの変化に富んでいますが、
その太い中にも太細、細い中にも太細があり、線の抑揚とリズムを
生み出しています。
臨書する際は文字の形を追うのではなく、線のリズムを追って、
丸みのある豊かな線を書くことを心がけるのが大切です。
連綿が長い所も筆が止まる所はしっかり止めて、速い部分は速く書くと
いう運筆のメリハリをよく見ることがポイントでしょうね。
とにかく法帖をじっくり観察して、あせらずじっくりと書き込む以外、上達の道はないと思います…。