かな臨書 ~ 伝 藤原行成 粘葉本和漢朗詠集

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今回は半紙に粘葉本和漢朗詠集(でっちょうぼんわかんろうえいしゅう)を節臨しました。
粘葉本とは、原本の装丁が粘葉装、つまり、二つ折りの料紙の背に
糊代を作って、糊で重ね合わせたかたちを取ったものです。

この粘葉本和漢朗詠集は藤原行成(ふじわらのゆきなり)の筆として、
かなり古くから伝称されているようです。
しかし、現存する行成の自筆本との比較すると、
自筆とは断定しがたく、行成の系統を継承するもので、
いわゆる行成様(こうぜいよう)と呼ばれています。

行成は小野道風(おのみちかぜ)・藤原佐理(ふじわらのすけまさ)と共に
「三蹟」(さんせき)の能書として、
平安中期の書道史を代表する人物です。

この粘葉本は漢字と仮名が混在していますが、
漢字仮名交じりではなく、漢詩と和歌の各部分にまとまっています。
漢字は楷・行・草を適度に織り交ぜ、仮名は草仮名(変体がな)と
平仮名(女手)を交えながら、
全体に流れと変化をつけて一体となっています。

今回臨書したのは仮名の部分ですが、優美でリズミカルな流れを
再現するのは一苦労でした。
いつかは漢詩の部分を含めて、全臨・・・チャレンジしたいです!


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