日本書道学会2月号のかな条幅の課題です。
ことの(能)音に みねの(農)松か(可)ぜ かよふらし
いづれの諸(を)より し(志)らべそ(曽)めけ(介)む
漢字の創作の場合にも言えることですが、
特にかなを書く場合は 「均斉」と「均衡」の違いを意識しながら、
取り組まなければなりません。
「均斉」は、同じ方向の点画の間隔を一定に保って、
左右のバランスが均等な状態をいいます。
間隔を均一にすることで、字形に整然とした美しさ、
安定感が生まれるため、 特に楷書で重視される書き方です。
その一方で、「均衡」は、点画の間隔が不均等でありながらも、
全体のバランスが保たれている状態です。
形を傾けたり、偏とつくりを上下にずらしたり、
文字の中心を移動させたりして、 一見、アンバランスに見えても、
バランスが取れている「均衡」こそが、
かなの醍醐味だと言えるでしょう。
子供の頃から習字の時間に、マス目に一字一字きちんと
文字が入るように、 整ったきれいな文字を書く練習をしていたことが、
身に沁みついているため、 かなを書く時も、無意識のうちに
「均斉」を保とうとしてしまうのかもしれませんね。
アンバランス感覚、「均衡」感覚を養うためには、
やはり、様々な古典を臨書するのが一番の方法だと思います。
食わず嫌い、偏食ばかりでは栄養失調になってしまいますから…。