臨書 ~ 顔真卿 多宝塔碑(十力弘建在…)


日本書道学会4月号半紙臨書課題の多宝塔碑の一節です。

多宝塔碑は顔真卿の若い時の楷書作品で、
初唐の楷書を受け継ぎながらも、
骨太でしっかりした書風です。
蚕頭燕尾などの顔法も控えめですが、所々見て取れます。

横画は細め、縦画は太めで、横画の収筆は筆の弾力を活かし、
起筆の時よりも強く筆圧をかけて、右斜め下の方向に押さえ込みます。
この点が、ハングル書芸での横画の収筆の筆遣いと非常に似ています。

左払いを鋭く張りのある線にするには、起筆は横から入り、
穂先が線の中心を通るように送筆します。
払い終わるまでは筆圧をかけ続け、最後にスパッと払います。

右払いは伸びやかに太く堂々と書くことが大切です。
軽く顔法の「燕尾」を意識した方が良いでしょう。

慣れない初心者の方は、その古典の特徴がつかめるまで書き込んで、
体で覚えていくしかないでしょうね。
そのうちに必ず臨書するのが楽しくなってきますよ。


コメントを残す