臨書 ~ 忽披帖(信奉此不具…)

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日本書道学会9月号の半紙臨書課題、忽披帖の一節です。

忽披帖は行草まじりで書かれていますが、連綿はほとんどありません。
文字が単体で書かれていますが、文字が微妙に傾き、
次の文字への気脈がつながっています。

特に線の進行方向が変わる時は、筆をしっかり立てること、
収筆時も気を抜かないことがポイントでしょう。

今回の課題の二行目の連綿は、遊び心も必要で、法帖を見ながら
書くではなく、 自分の感覚で思い切って引っ張るのが良いと思います。

空海自身、風信帖を書いている時は、まさか自分の書いた字が
後世にこれほど語り継がれ、多くの人々に臨書されるとは
思ってなかったでしょう。

王羲之の蘭亭叙もそうですが、いちいち計算されたものではなく、
自らの美意識のまま筆を運んだ結果が、傑作を生み出すものだと
改めて思いました。
僕らのような凡人には至難の業ですが…。

 


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