単語の配置と×印と二重丸

二回目の撮影は「必要なもの」を書き込むシーンでした。
本番前にメイクさんに爪の検査を受けたところ、墨が爪についていたので、しっかり洗い流しました。
それから香川照之さんが着ていた衣装に着替えて、撮影に入りました。
「必要なもの」として、色々な単語が何気なく書き込んであるように見えますが、
これも監督が単語の配置とかに結構こだわっていて、何回か書き直しました。
このシーンでは、必要なものを全体的に大きく×印して、最後に「お金」と書き、二重丸で囲みますが、
この×印の位置も監督のこだわりがあって、「×印の線と、お金を囲む二重丸が重ならないように。」
との指示がありました。
重なってしまうと、お金も否定してしまうことになるからだそうです。
僕は最初のテイクでは「お金」を○でグルっと囲み、一旦シャーペンを浮かせて、
それから改めて外側を○でグルっと囲みました。
お金に○印を二重につけるようなつもりで・・・。
そうしたら助監督から「二重丸はそう書かずに、一筆書きでつなげて、グルグルっと囲んでください。」
との指示がありましたので、そのように書いてOKが出ました。
本番ではノートの横に灰皿が置いてあり、その上の煙草に火がついてあったので、
煙草を吸わない僕としては、結構煙たかったです。
でも、この日は慌てて来た割には、僕の撮影は早く終わりましたよ。