かな臨書 伝藤原行成 ~ 升色紙

P1020347P1020337P1020333 今回は升色紙を半紙に臨書しました。
升色紙は寸松庵色紙、継色紙とともに三色紙と呼ばれ、
冊子本から分割された断簡で、升のような方形に近い形であること
から、 この名称がつけられました。
大半は一頁に一首ですが、二首書いたもの、
詞書きを持つものもあります。

今回臨書した升色紙の散らしの形式は
P1020347「高低式」
詞書きを入れて、和歌一首を四行書きに散らしています。
行頭は高低の繰り返しとなっていて、行の流れは少なく、中央三行は
ほぼ真下に流れています。

P1020337「逓下式」
詞書きを入れた六行の散らしで、行頭は三行目が一番高く、
左右に低くなっていきます。

P1020333「混合式」
一行目から三行目までの逓下式と、二行目から五行目までの高低式が
混ざっています。

この散らしの形式も升色紙の魅力の一つですが、
墨継ぎ部分での太くたくましい線と、渇筆部分の繊細ながらも
力強い線が、行と行の響きあいを生み出して、
美しい立体感を醸し出しています。

一見入りやすくやさしそうに見えますが、実際に臨書するとなると、
とても太刀打ちできない難物で、自分の腕の足りなさを
改めて痛感しました…。


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