臨書 ~ 孫過庭 書譜(平正・険絶・平正)

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前回の書譜の冒頭部分の続きを半紙に臨書しました。
「書者漢魏有・・・」字の大小、太さの変化、筆脈など、
どれを取っても難しく、改めて古典の偉大さを再確認してます。

今回は書譜の内容に出てくる「平正・険絶・平正」を紹介します。
書の成長過程には三つの段階があり、その時期ごとに一変して、その本分を発揮できます。

まず初めの段階では、癖がなく平易でわかりやすい「平正」に書くようにします。
つまり、小中学校で取り扱う、手本を見ながら書く習字、書写的な要素のことを意味します。
書の古典では、次元が高すぎますが「九成宮醴泉銘」、ハングル書芸では宮体あたりの字形でしょうか。

平正に書けるようになったら、それだけでは深みに欠け、味わいのないものに終わってしまうので、
次に「険絶」、いわゆる破格で、奔放、奇癖なものを学び、書くようにします。
書の古典で言うならば北魏の楷書、ハングル書芸では版本体などが、正にこれに該当し、
これこそが未知の可能性を秘めたダイヤモンドの原石だと言えるでしょう。

険絶の段階で終わると、品位、品格の低いものに留まってしまう恐れがあるため、
もう一度初めの「平正」に回帰します。
当然、この段階の平正は初めの平正とは違い、険絶を経ての正に「整っている」状態で、
次元的にも最高峰に到達します。

初めの「平正」はまだ及ばないという気持ち、中ごろの「険絶」は過激という感覚を持つでしょうが、
最後の「平正」になって過不足のない境地に達して、人は書と共に円熟味を増していきます。

自分はまだまだ最後の「平正」には程遠いですが、それを目指して頑張ります!


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